視点操作の基本を覚えましょう

   

今回説明するのは、3D-CADを使う上での基本中の基本となる、視点操作の方法です。
「ビューの操作」や「ナビゲーション」などとも呼ばれていますが、3次元の中でモノを作り上げていくのですから、自由に視点操作が出来なければ話になりません。
見たい部分が自由に見られないのでは、操作どころではありませんからね。

視点操作の用語を覚えよう

説明していくにあたって、まずは視点操作で使われる言葉を覚えておきましょう。
言葉で迷ってしまうと、覚えたいことも覚えられませんよ。

ズーム

これは普段からよく使われる言葉ですのでイメージはつかみやすいかと思いますが、モデルの拡大や縮小をする操作のことです。
たくさんの部材が含まれるモデルを作る段階になってくると、全体的に見るという大きな視点と、細かな部品一つ一つの整合性を確認するために使う小さな視点の使い分けが重要になります。

比較的自然な操作でできますから、すぐに慣れることが出来ますよ。

パン

モデル全体を移動するという操作が「パン」です。
見た目にはモデルが移動して見えますが、実際は見ている自分のほうが移動しているという方が正しいでしょう。
あくまでも「視点移動」ですから、モデルそのものを移動させるのは別の方法が必要です。

オービット

視点をあるポイントを中心に回転させ、回りこむように見ることができる機能のことです。
3Dでものづくりをするためには絶対必要な機能で、前からだけではなく、後ろからや上から、下からと必要に応じた視点を作り出すのに欠かせません。
ズームやパンと同じようにしょっちゅう使う機能ですが、Fusion360の場合は補助的な機能も備わっていますので、使い方次第でかなり効率を変えることが出来てしまいます。
基本的なものだけでも覚えておきましょう。

各機能の具体的な使い方

簡単に視点操作機能の名前を紹介しておきましたが、ここからは具体的な使い方を紹介しておきます。

Fusion360を使う限り、必ず毎回使用する機能になるでしょうから、使い慣れて自由に視点がコントロールできるようになってくださいね。

ただし視点操作をしていると、どうやって元に戻したらいいんだか分からなくなってしまう場合も有り得ますので、標準状態に戻す手順だけは先に覚えておきましょう。
標準状態に戻す方法さえ分かってしまえば、どんなにややこしい移動をさせたとしても、簡単に元の状態を取り戻せますから、心配せずに練習できますね。

元の表示に戻す方法

あれやこれやと移動させていたら、思ったように動かすことができなくなって、元に戻す方法がわからないという状況は発生してしまいます。
特に下面をこちらに向けている状態では、左右方向へのオービットが想像するものと動きが変わって、混乱してしまいがち。

そんな時は、迷わず標準状態まで戻してからやり直したほうが、簡単に次の作業へ移れますよ。

元に戻す方法は簡単です。

右上にあるサイコロみたいなもの(ビューキューブというらしいです)にマウスカーソルを近づけると、サイコロの左上に小さな家みたいな表示が現れますね。

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これがビューのホームポジションへ戻すスイッチです。

特に設定していなければ、モデルの左前方向からモデル全体を見ることができる表示に戻るはず。
迷ってしまったら、ここを押して表示をリセットしましょう。

ズーム機能の使い方

ズームは基本的にマウスのホイールを回転させて行います。

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元の表示が下の図のような状態だったとすると、

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標準の設定でマウスホイールを手前側に転がすことで、下のように拡大することが可能です。

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この時、拡大するポイントはマウスカーソルがあたっている場所に向かって行われますので、モデル中の特定部分を拡大するのも簡単です。
例えば下の図のように青いボタン部分を拡大したければ、ボタン付近にマウスカーソルを合わせておいて、ホイールを手前回転すると、

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簡単にピンポイントで拡大できましたね。

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もちろん反対方向にマウスホイールを回転させれば、縮小もすぐ可能です。

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操作自体は簡単ですから、あまり悩む部分もないのではないでしょうか。

ズーム操作に違和感を感じる人は

このズーム操作ですが、使ってきたCADやペイントソフトなどによっては、マウスホイールの回転方向が逆になっているため、操作に違和感を感じる人もいると思います。
私の場合は、自分自身が接近していくというイメージで拡大したほうが自然に感じられますので、Fusion360に標準設定されているマウスホイールの回転は、どうにも慣れられません。

同じように回転が逆になっていたほうが分かりやすいという方は、ちょっとした設定だけで変えることが出来ますから、無理に慣れてしまわずに変えておきましょう。

設定の変更は画面右上の方に、自分のユーザー名が表示されていると思いますが、そこをクリックしてメニューを表示させることから始まります。
メニュー内にある「基本設定」をクリックして、設定画面を開きましょう。

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すると以下の様な設定画面が開きますので、ここで下から3番めのチェックボックス、「ズーム方向を反転」にチェックを入れれば、マウスホイールの操作方向を逆転することが可能です。

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設定後は必ず「OK」ボタンを押して設定変更を完了しておきましょう。

ナビゲーションバーからでもズーム操作はできる

画面の下に表示されているナビゲーションバーを使用する方法でも、ズーム操作は可能ですが、マウスでの操作が扱いやすいですので、めったに使用する機会はないものと思います。
念のため説明はしておきますが、「ああ、あったなあ」くらいの気持ちで覚えてあれば十分でしょう。

ナビゲーションバーからできるズーム操作は、「ズームウィンドウ」を使用するものと、「ズームカーソル」を使用するものの2つです。

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ズームウィンドウは画面内に枠を作り、その範囲内を拡大表示するという方法。
ナビゲーションバーのズームウィンドウボタンをクリックして、下の図のように拡大したい場所を範囲選択するだけです。

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すると選んだ範囲が拡大表示されますが、この操作をしている間にマウスホイールを回転させたほうが早いですので、ほとんど用途は無いでしょう。
特定の部分に絞って拡大させたい時など、限定された場面では使いみちも見つかるかもしれません。

ズームカーソルを使う方法は、同じようにナビゲーションバーからズームカーソルのアイコンをクリックしてスタートします。
ズームカーソルのモードになると、マウスカーソルが下の図のように上下の矢印に変わります。

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この状態でマウスの左ボタンを押したまま、マウスを上下に移動させると拡大縮小が可能になります。

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ただし、このズーム方法も余計な操作が必要になってしまいますから、使う機会は少ないと思ってもらって間違いありません。
使い方が思いついたら使ってみてくださいね。

パン機能の使い方

視点の位置を移動させるパンについては、そのままで理解しやすい機能ですし、迷う要素も少ないものと思います。
ナビゲーションバーからも移動はさせられますが、マウスのみで作業するのと効果は全く同じですから、あえてそちらを使う機会もないでしょう。
簡単に使い方だけ説明しておきますね。

パンの機能は、マウスホイールを押したままにして、マウスを移動させるだけ。
マウスの移動に合わせてモデルが移動しますので、必要なところまで動かしましょう。

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頻繁に使う機能ですが、特別な要素はありません。

使い慣れておくだけで十分です。

オービット機能の使い方

オービットはモデルをあらゆる角度から見るために、3D-CADなら必要不可欠な機能です。
Fusion360のオービットは様々な方法で操作が可能ですから、普段からよく使うものを中心に紹介しておきます。

最も基本となるオービット機能の使い方は、マウスホイールとShiftキーを組み合わせて使うものです。

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Shiftを押しながら、パンと同じようにマウスホイールドラッグすれば、モデルが回転します。
オービットの機能が働いているときは、マウスカーソルが以下の様な状態になりますので、確認しやすいでしょう。

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例えば標準状態で表示されているモデルがあったとすると、

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Shiftキー+マウスホイール押しっぱなし状態で、左にマウスを移動させると左側に回転。

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そこから更に上(前)へ移動させると、上へ回転します。

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ちょうどモデルの手前側を持って、マウスの移動方向へ回していると思えば分かりやすいのではないでしょうか。

ただし他のソフトと違って、操作している途中でパンに切り替えたり、パンで移動している最中にオービットに切り替えるような操作はできません。
オービットを使うときは、Shiftキーを最初に押しておいて、それからマウスのホイールを押しこむという手順が必要になるのです。

他の3Dソフトを利用していた方には、ちょっとまどろっこしい部分かもしれませんね。
この点は、可能なら改善してもらいたいと思います。

どちらにしてもモデル作成からシミュレーションなどの機能を使う段階まで、常に使い続ける機能ですから、この操作法には慣れておく必要がありますね。

オービットの回転中心はセットできる

Fusion360のオービットは、簡単な方法で見回す中心を変更することが可能です。

細かな部材を取り付ける場合や、小さな加工を施したい場合など、作業する範囲が限られる状況では頻繁に使う必要に迫られると思いますので、操作を覚えておいてください。

Fusion360のオービットが回転の基準としている回転中心は、オービットの機能が働いている間だけ、画面内で緑色のポイントとして表示されます。

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このポイントを移動させるためには、移動させたいところにマウスカーソルを配置して、Shiftを押しながらマウスホイールをクリックします。

例えば先程から表示しているカッターの青いボタン付近で作業をしようとしている場合、回転もこの辺りを中心にしてくれたほうが、作業はしやすくなるはずです。

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このような場合は、回転中心を置きたい場所、つまり青いボタンの周辺(今回はボタンの先端にセットしてみます)にマウスカーソルを持って行って、そこでShift+マウスホイールクリックを実行すればOKです。

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すると、以下のように青ボタン上に緑のポイントが表示されるようになりました。

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移動量が少なくなる細かな作業を行う場合は、遠くに回転中心があると、想定していないオービットの動きで作業がスムーズにできなくなってしまいます。
こまめに回転中心を移動させ、効率的な作業に役立てましょう。

真っ直ぐや45度など、決まった角度から見る

モデルと作っていると真正面や真横など、モデルをまっすぐに見たい状況も起きてきます。
そんな時は、右上に配置されているビューキューブを活用すれば簡単です。

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例えば、モデルの右面をまっすぐに見たい場合は、このサイコロの面をクリックすればまっすぐに視点を調整することが出来ます。

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すると下のように、右の側面がまっすぐこちらを向いている状態で表示できました。

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このビューキューブは、真正面だけを指定する機能のみではなく、キューブの辺をクリックすると、

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指定した辺の方向から見た状態を作ることも出来ます。
この場合は、前側を上45度から見下ろした状態ですね。

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角の部分も指定できますから、更に45度回転させることも指定できます。
下の図のようにクリックすると、

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左前45度の角度から、上45度に振った位置が見える状態ができました。

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このように一定の角度ではありますが、指定した角度からモデルをみることが出来ますので、場面に応じて活用してくださいね。

なお、六面体のどれかの面が正面になっている状態なら、そのまま見た目の左右に回転させる機能もあります。

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回転させたい方向の矢印をクリックすれば、90度づつ回転させることが出来ますので、利用できる場面はあろうかと思います。

基本だけにとにかく使い慣れること

視点操作だけですが、やたらと長いページになってしまいましたので、このページを大まかにまとめておきたいと思います。
基本中の基本操作ですから、迷わず手が動くようになるまで、とにかく使ってなれるのが重要ですよ。

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ビューキューブにマウスを接近させると現れるホームマークをクリック

ズーム機能


マウスホイールの回転でできる
回転方向の逆転は基本設定で

パン機能


マウスホイールを押し込んでドラッグするとできる

オービット機能


Shiftキーを押しながらパン機能と同じようにドラッグ
ビューキューブを使えば特定の角度で表示ができる
Shiftを押しながらマウスホイールをクリックすると回転中心を変えられる

覚えてくださいね。

 - 基本的な機能