Fusion360をインストールするためには、まず使っているパソコンが対応出来るだけの性能があるか、確認しておくことが必要です。
とはいえ、パソコンのスペックなんて調べたことが無いという方もおられるでしょうから、必要スペックの紹介と合わせてパソコンスペックの調べ方についても紹介しておくことにしましょう。
初心者の方でも分かりやすいように、細かく画像を使って説明しますので、見にくい場合は画像をクリックして拡大しましょう。
パソコンのスペックから調べよう
Fusion360は3次元のデータを取り扱う3D-CADですから、けっこうパソコンの性能に求める要素は多くなってしまいます。
様々なところで紹介されてはいますが、更に詳細な情報も含めてお教えしますので、チェックしてみて足りない要素があった場合は、対策を考えるようにしましょう。
WindowsでもMacでも使用できる
Fusion360を使うことのできるOS(オペレーティングシステム)は、一般に出回っているパソコンの大半を占めているWindowsとMacです。
Windowsの場合、Windows10・Windows8.1・Windows8・Windows7SP1と、現在稼働しているパソコンならほとんどがクリアしているのではないでしょうか。
ただしWindows7の場合は、サービスパックが適用されていなければいけませんので、まだ対応できていない方はWindows10にアップグレードするか、WindowsUpdateで更新しておきましょう。
WindowsXPはマイクロソフトのサポートが終了していますので、さすがに使っている人はいないかと思いますが、WindowsVistaを使っておられる方は、残念ながら対応していませんので、パソコンを買い換えることも検討してくださいね。
Macをご利用の方は、MacOS X Marvericks(10.9)よりも新しいものであれば、問題なく対応できます。
自分のパソコンがどのOSを使っているのかわからないという方のために、Windowsを例にとって確認する手順を紹介します。
基本的にWindows10での表示を使用しますが、他のバージョンでも同様の操作で確認はできますので安心してくださいね。
OSを調べるためには、まずパソコンの詳細な情報を表示させる必要があります。
そのためには、エクスプローラーを立ち上げましょう。
スタートメニューやタスクバーから起動できる、ファイルを表示するためのプログラムです。
表示ができたら、「PC」や「コンピューター」などという項目を探し、下の画像を参考に、そこを右クリックしてください。
すると、下のようなショートカットメニューが表示されますので(OSによって表示される項目は変わります)、その中にある「プロパティ」をマウスの左ボタンでクリックします。
表示される内容はOSのバージョン次第ですが、以下の様な画面が現れたはずです。
この画面が、使っているパソコンのプロパティを表示したものですので、パソコンに関する情報はここから調べることになります。
よく使う場面があると思いますから、表示させる方法は覚えておいてくださいね。
この中でOSのバージョンは、下の画像部分で表示されています。
この場合「Windows10 Home」と表示されていますので、Windows10のHomeエディションだと分かりますね。
CPUは64ビット限定です
Windows7のあたりから64ビットCPUを搭載したパソコンが増えてきましたが、このFusion360は64ビットCPU以外では動かない仕様ですので注意してください。
どんなCPUが使われているのか分からないという方は、以下の手順で確認しておきましょう。
先ほどパソコンのOSを調べた際に表示した、システムのプロパティを開きます。
手順を見ていなかった方は、上の方に記載していますから、参考にしてくださいね。
画面中、「システムの種類」という項目があると思いますが、そこに書かれている「64ビットオペレーティングシステム x64ベースプロセッサ」という表示が、このコンピューターの使用しているCPUを表しています。
ここに「32ビット」という文字が記載されていた場合、残念ながらハードウェアの条件が合わないということですので、Fusion360を使用することは出来ません。
メモリの搭載容量などもあって64ビットが主流になっていますから、現在ではほとんどのパソコンで問題にならないとは思いますが、念のため確認だけはしておいてくださいね。
なおMacをご利用の場合は、以下のページで詳しい確認方法を紹介していますから、参考にしていただければと思います。
何しろ、Macは持ってないもので、画像が作れませんから紹介しづらいんですよ・・・
メモリは4GB以上あったほうがいい
パソコンが計算などで使用する一時的な記憶領域、メモリについてもFusion360では制限がありますので注意が必要です。
公式に発表されている数値としては「最低3GB以上必要」とのことですが、販売しているメモリの規格などを考えれば4GBと考えていいでしょう(推奨は4GB以上です)
同じような画面ばかりで恐縮ですが、先ほどCPUを確認したのと同じ部分でチェックは可能。
実装メモリ(RAM)と書かれた部分に、このパソコンの場合は「12.0GB」とされているのがメモリの容量です。
ここの数字が4GBよりも少なかった場合は、パソコン本体を新しいものに替えるか、メモリの増設で対応することを考えましょう。
デスクトップでもノートパソコンでも、メモリの増設は比較的簡単にできる作業です。
わからないという方は、パソコンショップで相談してみるといいですね。
なおMacの場合は画面左上にあるリンゴのマークをクリックして表示されるメニューから、「このMacについて」を選べばメモリ量が表示されます。
Macの場合はメモリの不足しているケースが少ないとは思いますが、一応チェックだけはしておきましょう。
ハードディスクの空きは2GB以上
この条件で引っかかる人はあまりいないでしょうが、実際にインストールする状況ではもっと多く必要になることも考えられます。
最低限2GB以上は用意しておく必要がありますが、足りないという方はハードディスクを増設するか、余分なファイルを削除するなどして、余裕のある用量を準備してくださいね。
空きの確認方法は、以下の手順で大丈夫です。
相変わらずWindows10での表示で紹介しますが、他のOSでもほぼ同じような部分が見つかるはずですので、チェックの参考にはなるはずです。
まずエクスプローラーを開き、「PC」の項目から「ローカルディスク(C)」を見つけて右クリックしましょう。
すると下の画像のようにショートカットメニューが開きますから、一番下の「プロパティ」を選択します。
下のようなウィンドウが開いたら、赤で囲んでいる部分をチェックしてください。
ここにハードディスクの空き容量が表示されています。
このパソコンでは「193GB」とされているので、十分だと分かりますね。
足りない場合は、下の方に表示されている「ディスクのクリーンアップ」という機能を使って、いらないファイルを消してしまうことも出来ますから、容量に余裕を持たせておきましょう。
グラフィックボードは特に要チェックです
Fusion360のように3Dを取り扱うソフトの場合、特に気にする必要のあるのがグラフィックボード。
一般的なビジネスでは使う理由があまりない部分でもありますので、不足しているケースが多いでしょう。
チェックの方法が今までとはちょっと違いますので、詳しく紹介しておきます。
これまでと同じく、Windows10で手順を確認できるようにしますので、他のOSをご利用の場合はWindows10にアップグレードするか、ヘルプを参照してくださいね。
まずはグラフィックボードを確認するために「デバイスマネージャー」を表示させる必要があります。
先ほど、OSの種類やメモリ量、CPUのビット数を確認するために開いた「システムのプロパティ」を表示させてください。
先程まではこの画面内で表示された情報を読み取っていましたが、今回は別のウィンドウ「デバイスマネージャー」を表示させる必要があります。
そのためには、左上の方にある「デバイスマネージャー」という項目をクリックしましょう。
クリックすると、以下の様な画面が現れたと思います。
この画面が「デバイスマネージャー」で、パソコンに組み込まれているハードウェアの管理をするためのソフトです。
この中に「ディスプレイアダプター」という項目があるはずですので、見つけ出してアイコンの左側にある「>」マークをクリックしましょう。
するとディスプレイアダプターの内容が展開され、アダプターの名前が表示されたでしょう。
このパソコンの場合は「Intel(R) HDGraphics 3000」という名前のグラフィックボードが使用されていると分かりますね。
しかし、この名前を見ただけではどんな性能があるグラフィックボードなのか、全くわかりません。
この点について簡単に説明しておきましょう。
グラフィックボードには専用とおまけタイプが有る
Fusion360で必要な条件とされている性能が、
・512MB以上のGDDR RAM
とはされていますが、何のことだかわからないという人も多いのではないでしょうか。
この条件に取り上げられている「GDDR」とは、先ほど調べたパソコンのメモリと同じようなものと考えてください。
ただし、「グラフィックを描く専用のCPUが使用する、グラフィック専用のメモリ」であるという点が大きな違いです。
3D-CADや3Dゲームのように、画像を表示するための計算や表示の作業が大きな負荷となってしまうソフトを動かすためには、パソコン本体を動かしているCPUだけではなく、グラフィック専用のCPUを用意して作業させなければ、スムーズに表示し続けることが出来ないのです。
それらのソフトを動かすためには、あまりにも作業が多すぎて追いつけないCPUが、グラフィックの部分だけ外注に任せていると言えば分かりやすいでしょうか?
そのグラフィック専用CPUが画面表示のためにする計算で使うメモリが、Fusion360の動作条件にされているGDDR RAMというものです。
ここで、先ほどデバイスマネージャーで確認したパソコンに積まれている「ディスプレイアダプター」の情報に戻ってみましょう。
「Intel(R) HDGraphics 3000」と表示されていましたね。
ここの表示については、詳しく説明しているサイトが有りましたので、そちらでチェックしてみると分かりやすいでしょう。
→グラフィックボードのベンチマークテスト結果(ドスパラ)
おおまかに分かる情報をまとめてみると、
- CPUに内蔵されているグラフィックボードは性能が低い
- Intel HD Graphicsは内蔵グラフィックボード
- AMD RadeonはR9以外のバージョンが内蔵グラフィックボード
- ATI Radeonなら全て独立式
くらいのことは分かると思います。
内蔵グラフィックボードの場合、グラフィック専用のCPUはなく、本体のCPUがそれを兼ねて作業することになりますし、メモリについてもグラフィック専用のものは用意されておらず、本体が使っているメモリを流用することになるのです。
「GDDR 512MB」という条件でしたが、内蔵グラフィックボードには、そもそもGDDRどころかグラフィック専用メモリすらない状態だということです
つまり、このブログを書いているパソコンは、内蔵グラフィックボードを採用していて、Fusion360を使うにはちょっとキツイ代物だったということが分かりましたね。
実際のところ、クリエイティブ系の仕事で使っているパソコンかMacででもない限り、このグラフィックボード性能に関しては足りないものが多いのではないでしょうか。
一般的なビジネス用のリーズナブルなパソコンは、まず間違いなく内蔵グラフィックボードを使っています。
ちなみにこのブログ用パソコンでもFusion360を動かすことは出来ましたし、モデルを作るくらいなら何とか可能です。
ただしパーツ数が極端に増えてきて、計算や表示がややこしくなってくると、いきなりソフトがフリーズして強制終了してしまう場合も。
保存するのを忘れてて、何度か泣きかけました・・・
性能の低いパソコンでは思ったように描きづらいですし、せっかく作ったものが突然のフリーズで消えてしまったら泣くに泣けません。
デスクトップパソコンなら、グラフィックボードを増設する方法で強化することは出来ますが、ノートパソコンの場合はグラフィックボードが増設できないでしょうから、本体の買い替えを検討してみたほうがいいでしょう。
条件をクリア出来るパソコンでしたか?
CPUやOSなどの条件は基本的に絶対必要なことですが、多くの方が引っ掛かってしまったと思われるグラフィックボードについては、複雑な内容を取り扱うようになるまでは、当面保留しておいても良い要素だと思います。
ただし、いきなりのフリーズに備えて、こまめに保存する癖だけはつけておきましょうね。
ある程度以上のモデル作成や、高画質でのレンダリングなどを考えている場合は、グラフィック性能の高いパソコン購入を検討してみても良いですね。
グラフィック性能が高く、価格ができるだけ安いパソコンを探していて、DELLのパソコンを見つけましたのでリンクしておきますが、これなら性能は十分と思っていいでしょう。
- CPU:Core-i5
- グラフィック:GeForce GDDR5 4GB
このクラスなら不足するような事態にはなりませんから、安心して利用できますね。
本格的にFusion360を使用するようになるまでには、予算確保して購入しておきましょう。